AI革命前夜

脳科学 博士と助手

自由意志は在るのか?自由意志とは何なのか?

自由意志は在るのか?自由意志とは何なのか?
博士
おい、お前は数字の0と1どっちが好きだ?
助手
なんすか?いきなりw
博士
どっちだ?と聞いているんだ。
助手
別にどっちでもいいっすけど、1かな。心理テストか何かっすか?w
博士
まあ、そんなところだ。なぜ1を選んだ?
助手
なぜって、・・特に理由はないっす。
博士
お前が選んだのか?
助手
そりゃあ、そうっすよw 他に誰が選ぶんすかw
博士
おまえには自由意志はあると思うか?
助手
へ?自由意志?あるでしょ。俺は割と自由に生きてきたっすよw
博士
では自由意志とは何だ?
助手
自由に何かを決断する意志のことでしょ?今の0か1かを選ぶのだって俺の意志次第っすよ。自由っすよ。
博士
そこには本当に自由があると思うか?
助手
ありますよそりゃ!0を選ぶことも出来たんすから!
博士
お前の自由意志が0ではなく1を選んだと?
助手
そうですよ。直感でピーン!とね。
博士
直感か。まるで反射的に答えが思い浮かんだような言い方だな?それはお前が出した答えと言えるのか?
助手
べ、別に直感に頼ったって良いじゃないっすか!
博士
悪いとは言っていない。ただそれはお前の意志なのか?
助手
いや確かに直感は勝手にピーン!だったけど、その直感に従って1を選んだのは俺の意志っすよ。
博士
うむ。よく分かった。結論から言おう。お前に自由意志はない。
助手
何すかそれ!まるで俺が誰かに操られてるみたいな言い方しないで下さいよ!
博士
大丈夫だ、決して赤の他人が操っているわけではない。操っているのはお前自信だ。ただお前の意志が数字を選んだのではない。数字を選ぶ過程が意志を生んだのだ。
助手
はぁ??もうワケわかんないっすよー!

自由意志なんて無い

博士
「意識」と「意志」はよく似てるな。
助手
同じようなモノじゃないんすか?
博士
まあこんなのは単なる言葉遊びだから、私は好きではないが、意識というのは感じたり考えたりする主体そのものを指している。それに対して意志というのはもっと方向性を持った場合に使われる。選択・決断するような場合だ。
助手
ふーん。
博士
まあ、そんなことはどうでもいい。今日、言いたいのは果たして自由意志は在るのか?ということだ。
助手
俺は今の今まで自分の自由意志の存在を疑ったことなんてなかったっすw
博士
まあそれが普通の感覚だ。お前が特別バカだからではない。
助手
もうバカが前提になってるじゃないすかw
博士
さっきのように0か1か選べと言われたら、確かに自由に自分の意志でどちらかを選ぶことが出来る。
助手
それこそが自由意志じゃないっすか。
博士
その選択の際に脳内で何が起きていると思う?
助手
脳内で・・? 神経細胞があーでもない、こーでもないって活動してんすかね?w
博士
正解だ。
助手
正解っすかw
博士
耳から入ってきた音が脳内で処理されて「0か1どちらかを選べ」という質問内容を理解する。これももちろん脳内の神経細胞の働きだ。恐ろしく高度な。
助手
その質問を理解して俺の意志は「1にしよう。いや0も捨てがたいな。やっぱ1の方がいいな」って思考を巡らせたんすよ。そりゃもう恐ろしく高度っすよw
博士
お前は「意志」を何か特別なモノだと思っているようだが、「意志」も神経細胞がスパークした結果だ。
ある電気入力(つまり質問)をキッカケに脳神経細胞が連鎖的に発火し、巡り巡って1という答えを出力するまでの過程が「意志」だ。
助手
はぁ。
博士
そのどこに自由が入り込む余地があるというのだ?
助手
自由が入り込む・・?
博士
聴覚細胞から入力された電気信号がお前の脳内に配された神経細胞を伝ってぐるぐる回って最終的にお前の口から「イチ」という音が出力されただけの話だ。その過程のどこに自由が入り込むと言うのだ?
助手
その途中で俺の意志が決断したんすよ!
博士
お前の意志が神経細胞に命令したとでもというのか?
助手
そうじゃないんすか??
博士
違う。「意志」が神経細胞よりも上位に存在するような言い方をするんじゃない。お前の「意志」は脳のどこかに存在していちいち命令しているのではない。決断する際の神経細胞の発火過程そのものが「意志」と呼ばれるモノを生んでいるのだ。
助手
決断する過程そのものが意志・・?
博士
そうだ。つまり言い方を変えると、意志があるから決断したのではなく、決断したから意志があるんだ。
助手
それじゃあ意志が後付けみたいなじゃいっすか!
博士
そういうことになる。
助手
けど俺は確かに0か1かどっちでもいいって言われて1を選んだんすよ!
博士
それは、その時点でお前の脳神経細胞の配線が、1を出力するような状態になっていただけの話だ。直感も悩む過程も決断する過程も全て含めてだ。
助手
そんなこと言われたら、なんか俺が俺じゃないみたいじゃないっすか・・。
博士
いや、そんなことはない。むしろお前そのものだ。これまでの数十年の積み重ねで脳神経細胞の配線は組み上がっている。その配線が導き出した答えなのだからな。
助手
たかが0か1か選ぶのにこれまでの人生全て関わってんすか?w
博士
まあ、このようなランダムな選択の場合はもちろんその瞬間の気まぐれによるところが大きい。まさしくどちらでもいいような質問だからな。
助手
じゃあ、数十年の積み重ねなんて関係ないじゃないっすかw
博士
そんなことはない。もし日本語を理解していない脳に「0か1か好きな方を選べ」という音を入力して、答えが得られると思うか?質問を理解出来ることだけでなく、直感や選択する際の思考の土台自体が数十年の積み重ねの結果だ。
助手
まあそりゃそうですけど、答えは気まぐれなんでしょ?
博士
勘違いするな。その瞬間の気まぐれも脳神経の配線の結果だ。
助手
気まぐれも脳神経の配線が関係してんすか?
博士
当たり前だ。そもそもお前の意志なんて気まぐれみたいなものではないか。
助手
た、確かにw
博士
たまたまその瞬間のお前の頭の配線が、1を出力する状態になっていただけの話だ。もちろんもう一度同じ質問をしても同じ答えを出力するとは限らない。脳神経細胞の配線は刻一刻と変化しているからな。
助手
脳神経細胞の配線によって答えが決まるって言うんすか?じゃあ初めから答えは決まってるようなものじゃないっすか。
博士
そういうことになるな。
助手
そんなぁ。俺がこれまでの人生で悩んだことも決断してきたことも全部そうなんすか?
博士
そういうことになるな。
助手
これから先、悩むことも決断することも?
博士
そういうことになるな。何らかの電気信号が脳内に入力されてその複雑な電気回路を巡り巡った結果、何かが出力される。ただそれだけのことだ。
助手
俺、自分が何なのか分からなくなってきました・・。
博士
心配するな。自分が何なのか分かっている奴はこの世に一人も居ない。
助手
全然フォローになってないっす・・。

それでも自由意志は存在する?

博士
だがしかし、直感であろうと熟考した結果であろうと、たとえ神経細胞の配線通りの結果であろうと、「自分で決断した」と感じている自分がいるのは事実だ。
助手
へ?やっぱそうなんすか?
博士
どうやら脳は何かを決断する過程で「自由意志」と呼ばれる感覚を発生させるように出来ている。自分で決めたという感覚を。
助手
そうっすよ!確かに僕は自分で決めましたよ!けど、脳が作り出すって言い方はなんか幻みたいっすね。
博士
脳によって作り出される感覚をいちいち否定していてはこの世の全てを否定することになる。お前が見て感じている世界は全てお前の脳が作り出したモノなのだからな。
助手
そうなんすか?俺の脳を信じていいんすね?
博士
脳を信じるも何も、脳はお前自身だ。脳より上位に自分が居るかのような妄言をするな。
助手
とにかく俺は自由の身なんすね!
博士
果たしてこいつは私の言ってることを理解しているのだろうか?
助手
なんか元気出てきましたよ!博士!
博士
お、おう。それは良かった。元気なのが一番だ。
助手
危うく人生詰むところでしたよw
博士
 脳の仕組みがどうであろうと、世の中の仕組みがどうであろうと、お前にとって大事なのはお前がどう感じるかだ。
お前が見ている世界の中心には常にお前がいる。それは揺るぎない事実だ。それが主観だ。
お前が自由だと思えば自由だし、お前が素晴らしいと思えばそれは素晴らしいんだ。
世界はお前の捉え方次第だ!
助手
博士!良いこと言うじゃないっすか!
博士
お前は自由だ!
助手
俺は自由だーーーーーー!
博士
相変わらず単純なやつだ。(笑)

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